1 紛争化しやすい解雇事案
厚生労働省の調べによれば,各都道府県労働局に寄せられる労働紛争相談案件のうち最も多いのが「解雇」に関する相談で,全体の2割以上となっています。解雇された労働者にとってみれば,生活の途を断たれるのですから,紛争になりやすいことであることは明らかです。
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1位 |
解雇 |
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賃金不払 |
解雇 |
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退職 |
2位 |
賃金不払 |
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解雇 |
3位 |
労働契約 |
労働契約 |
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賃金不払 |
職場の 嫌がらせ |
賃金不払 |
4位 |
退職 |
人間関係 |
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労働契約 |
賃金不払 |
労働契約 |
5位 |
職場の 嫌がらせ |
退職 |
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職場の 嫌がらせ |
労働契約 |
職場の 嫌がらせ |
2 解雇に伴う企業側のリスク
解雇にまつわる企業側のリスクとしては,①解雇が無効となった場合,労働者が職場に復帰することによって企業秩序が混乱すること,②解雇事に遡って支払うことになる賃金の負担,③解雇した労働者や労働組合に対する対応,労使活動による社会的信用の毀損等が考えられます。
3 解雇リスクを回避するために
こういった解雇に伴うリスクを回避するための企業側の措置として,解雇にあたり,その正当性・公平性・透明性を高め,適正な手続きを経ることが重要になります。
具体的には,まず,当該労働者の問題行動やそれに対する企業側の対応はできる限る記録に残しておきます。その際,どのような対応をとるかについて,事前に客観的な指標を定めておくことも必須です。さらに,具体的な方策を講じるにあたり,当該労働者に弁明の機会を与える必要があります。場合によっては,労働者側の代表者や弁護士等の第三者の意見を仰ぐことも有用です。
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