強度不足で賠償命令
事案
仙台市の8階建てマンションのコンクリート強度が不足し、補修では済まないほど耐震性を欠いているとして、所有者が建設会社側に、建て替え費用など約5億4千万円の損害賠償を求めた訴訟
原告側は、マンション引き渡し後、コンクリートの強度が設計基準の約半分しかないことが分かったと主張。高松建設などは「欠陥はない」と反論していた。
結果
仙台地裁は30日、元請けの「T建設」(大阪市)など3社に約5億1900万円の支払いを命じた。山田真紀裁判長は、コンクリート強度について「基準を少なからず下回る。建物全体の強度を大きく低下させ、基本的な安全性を損なう欠陥」と指摘した。
判決後、原告側代理人は「建て替えが認められたことは重要だ」と語った。高松建設の広報担当者は取材に「控訴も含めて対応を検討する」と話した。
2015.3.30 22:45産経ニュース参照
参考 最高裁平成14年9月24日判決
建築請負の仕事の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者は、請負人に対し、建物の建て替えに要する費用相当額を損害としてその賠償を請求することができるというべきである。
参考 最高裁平成22年6月17日判決
売買の目的物である新築建物に重大な瑕疵があり、これを建て替えざるを得ない場合において、当該瑕疵が構造耐力上の安全性にかかわるものであるため建物が倒壊する具体的なおそれがあるなど、社会通念上、建物自体が社会経済的な価値を有しないと評価すべきものであるときには、上記建物の買主がこれに居住していたという利益については、当該買主からの工事施工者等に対する建て替え費用相当額の損害賠償請求において損益相殺ないし損益相殺的な調整の対象として、損害額から控除することはできないと解するのが相当である。