「理解できる説明ではない」中国残留孤児への投資勧誘は違法 りそな銀に約120万円支払い命令、京都地裁
1 事案
日本語での意思疎通が難しいなか、不十分な説明で投資信託を買わされ損害を受けたとして、中国の残留孤児だった京都府内の70代の男性が、りそな銀行(大阪市中央区)を相手取り約250万円の損害賠償を求めた訴訟
男性は幼少期に中国に渡り、40代で日本に帰国。日本語は日常会話程度で読み書きはほとんどできず、投資経験もなかった。平成18年、京都市内の同行支店で行員から投資信託の勧誘を受け、定期預金を解約して約230万円を投資。23年に満期を迎えたが、元本割れし122万円しか償還されなかった。
2 結果
判決が25日、京都地裁であった。下沢良太裁判官は「通訳をつけるなど、男性が理解できる説明をしたとは認められない」と指摘。勧誘での説明義務について違法性を認め、同行に約120万円の支払いを命じた。判決によると、同行側は「リスクを説明し、男性は理解したうえで購入した」と主張したが、判決は「日本語能力や経済知識をみると、原告が商品の特性を理解する能力があったとはいえない」と指摘。「顧客の意向や能力に合わない勧誘だ」と判断した。
2014.9.26 10:10 産経ニュース[westセレクト]