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民事法律扶助

当事務所では、日本司法支援センター(法テラス)の民事法律扶助をご利用になられます。民事法律扶助とは、経済的にお困りの方が法的トラブルにあったときに、無料で法律相談を行い、(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)制度です。債務整理のご相談、特に自己破産の案件では多くご利用いただいております。ただし、資力基準等の要件がありますので、詳しくは弁護士にご相談ください。

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金融機関の従業員が顧客に対し融資を受けて宅地を購入するように勧誘する際に当該宅地が接道要件を具備していないことを説明しなかったことが当該宅地を購入した顧客に対する不法行為を構成するとはいえないとされた事例 最判平成15年11月7日

事 案

被上告人は,上告人に対し,甲は本件土地が接道要件を満たさない土地であることを被上告人に説明すべき義務があったのにこれを怠った旨を主張して,民法715条の規定に基づき,損害の賠償と遅延損害金の支払を求めた。

結 論

上告人の従業員である甲が,被上告人に対し,上告人から融資を受けて本件土地を購入するように積極的に勧誘し,その結果として,被上告人が本件売買契約を締結するに至ったという事実があったとしても,その際,甲が被上告人に対して本件土地が接道要件を満たしていないことについて説明をしなかったことが,法的義務に違反し,被上告人に対する不法行為を構成するということはできないものというべきである。

理 由

(1) 本件売買契約と被上告人と上告人との間の上記の融資契約とは,当事者を異にする別個の契約であるが,甲は,後者の融資契約を成立させる目的で本件土地の購入にかかわったものである。このような場合に,甲が接道要件が具備していないことを認識していながら,これを被上告人に殊更に知らせなかったり,又は知らせることを怠ったりしたこと,上告人が本件土地の売主や販売業者と業務提携等をし,上告人の従業員が本件土地の売主等の販売活動に深くかかわっており,甲の被上告人に対する本件土地の購入の勧誘も,その一環であることなど,信義則上,甲の被上告人に対する説明義務を肯認する根拠となり得るような特段の事情を原審は認定しておらず,また,そのような事情は,記録上もうかがうことができない。

(2) 本件前面道路部分は,本件私道の一部であり,本件売買契約締結当時,本件土地の売主である乙が所有しており,不動産登記簿上の地目も公衆用道路とされていたことから,同人が被上告人に売却した本件土地の接道要件を満たすために本件前面道路部分につき道路位置の指定を受けること等の乙の協力が得られることについては,その当時,十分期待することができたのであり,本件土地は,建物を建築するのに法的な支障が生ずる可能性の乏しい物件であった。(3) 本件土地が接道要件を満たしているかどうかという点は,宅地建物取引業法35条1項所定の重要事項として,書面による説明義務がある。本件売買契

約においては,売主側の仲介業者である丙株式会社がその説明義務を負っているのであって,甲に同様の義務があるわけではない。

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