事 案 |
京都府舞鶴市の高校1年、Kさん(当時15歳)が08年5月6日夜、自宅を出たまま行方不明になり、府警が8日朝、自宅から約7キロ離れた同市内の雑木林で遺体を発見した。顔などを激しく殴打され、失血死だった。府警は同年11月、現場近くに住むN被告を窃盗容疑で逮捕し、09年4月に殺人などの容疑で逮捕。京都地検が殺人と強制わいせつ致死の罪で起訴した。 |
争 点 |
凶器などの物証がなく状況証拠の評価が争点 |
結 果 |
大阪高裁は、無期懲役とした1審・京都地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した。 |
理 由 |
状況証拠の信用性を否定。目撃証言については「証言者が警察の調べの際に被告の写真を見て影響を受け、検察官の調べを繰り返し受けるうち記憶が変容し、被告の特徴と整合する内容にまで変遷した」と指摘した。 遺留品に関する被告の捜査段階の供述については「遺留品の種類は報道されており(被告が述べた)色や形状などは際だった特徴がなく推量で言い当てたとしても不自然ではない」と指摘。さらに「取調官が知っている遺留品の特徴に合致する内容が出るまで供述を求め、被告の供述に影響を与えた可能性は否定できない」と言及し、捜査のあり方を厳しく批判した。 その上で川合裁判長は、状況証拠で有罪認定する場合の基準を示した10年4月の最高裁判決を踏まえ、被告が犯人でなければ説明できない事実関係が含まれていないと判断し、被告を無罪とした。 |
出 典 |
毎日新聞 2012年12月12日 10時51分 http://mainichi.jp/select/news/20121212k0000e040129000c.html |
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