事案の概要 |
本件建築主が建築を計画した本件建築物につき,被告が,本件建築主に対し,建築基準法6条の2第1項に基づき,本件建築物の建築計画(以下「本件建築計画」という。)に係る本件建築確認処分をしたところ,本件建築物の周辺住民である原告らが,本件建築確認処分には建築基準法48条(用途制限)違反及び東京都建築安全条例(昭和25年東京都条例第89号)4条違反の違法等があると主張し,本件建築確認処分の取消しを求めている事案 |
争 点 |
一建物一敷地の原則(建築基準法施行令1条1項)違反の有無 |
結 論 |
本件建築確認処分には,一建物一敷地の原則違反の違法は認められない |
理 由 |
アネックス棟が,運動施設であって本館棟専用住宅部分に附属するもの(建築基準法別表第二(は)項8号参照)に当たることは,前記(1)イ(ウ)のとおりであるから |
具体的事案検討:(1)イ(ウ)より抜粋 |
アネックス棟は,① ゴルフ練習場,プール及びボーリング場としての設備を有するが,② 本館棟専用住宅部分に面する庭園の地下に位置する地下2階建ての建築物であって,独立した直接の出入口を有しておらず(なお,屋内避難階段1及び屋内避難階段2は,いずれも建築基準法施行令120条,122条及び123条等の規定に基づいて設置される地上に通ずる直通階段であるから,これらをもって独立した直接の出入口とみることは相当ではない。),③ 本館棟専用住宅部分との間で,エキスパンション・ジョイントで接続されているだけでなく,地下で接続部分が相互に連絡しており,アネックス棟の利用者は本館棟専用住宅部分の玄関を主たる出入口として利用することが予定されていることに照らすと,設計概要書中の「アネックス棟が,本館棟専用住宅部分の居住者家族においてゴルフ練習場,プール及びボーリング場として利用するものである」旨の記載部分に不自然不合理な点はないというべきであり,居住者と関係のない不特定多数の者の利用を予定していることが明らかであるとはいえず,他に,アネックス棟の用途について当該確認の申請書(確認の申請)の他の記載内容等から上記用途と異なる用途に供されるものと判断すべき特段の事情も認められない(なお,アネックス棟が建築基準法施行令130条の5の5所定の自動車車庫,畜舎及び危険物の貯蔵又は処理に供するものに当たらないことは明らかである。)。以上の諸点を総合すれば,アネックス棟は,運動施設であって本館棟専用住宅部分に附属するもの(建築基準法別表第二(は)項8号参照)に当たるというべきである。 |