住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準
この基準は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(平成11 年法律第81 号)第70 条に規定する指定住宅紛争処理機関による住宅紛争処理の参考となるべき技術的基準として、不具合事象の発生と構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性との相関関係について定めたものです。あくまで裁判外で紛争を円滑かつ迅速に処理するための基準にすぎませんが、一つの指標として参考になります。
1 傾斜
(1)壁又は柱
い |
ろ |
は |
レ ベ ル |
住宅の種類 |
構造耐力上主要な 部分に瑕疵が存する可能性 |
木造住宅、鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート造住宅又は鉄骨鉄筋コンクリート造住宅 |
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1 |
3/1000 未満の勾配(凹凸の少ない仕上げによる壁又は柱の表面と、その面と垂直な鉛直面との交差する線(2m程度以上の長さのものに限る。)の鉛直線に対する角度をいう。以下この表において同じ。)の傾斜 |
低い |
2 |
3/1000 以上6/1000 未満の勾配の傾斜 |
一定程度存する。 |
3 |
6/1000 以上の勾配の傾斜 |
高い |
(2)床(排水等の目的で勾配が付されているものを除く。)
い |
ろ |
は |
レ ベ ル |
住宅の種類 |
構造耐力上主要な 部分に瑕疵が存する可能性 |
木造住宅、鉄骨造住宅、鉄筋コンクリート造住宅又は鉄骨鉄筋コンクリート造住宅 |
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1 |
3/1000 未満の勾配(凹凸の少ない仕上げによる床の表面における2点(3m程度以上離れているものに限る。)の間を結ぶ直線の水平面に対する角度をいう。以下この表において同じ。)の傾斜 |
低い |
2 |
3/1000 以上6/1000 未満の勾配の傾斜 |
一定程度存する。 |
3 |
6/1000 以上の勾配の傾斜 |
高い |
2 ひび割れ
(1)壁、柱、床、天井、はり又は屋根(パラペット及 び庇の部分を除く。)
イ 乾式の仕上材(布その他これに類する材料を除く。
以下同じ。)による仕上げ
い |
ろ |
は |
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レ ベ ル |
住宅の種類 |
構造耐力上主要な 部分に瑕疵が存する可能性 |
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木造住宅 |
鉄骨造住宅 |
鉄筋コンクリート造住宅又は鉄骨鉄筋コンクリート造住宅 |
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1 |
レベル2及び レベル3に該当しないひび割れ |
レベル2及び レベル3に該当しないひび割れ |
レベル2及び レベル3に該当しないひび割れ |
低い |
2 |
複数の仕上材にまたがったひび割れ(レベル3に該当するものを除く。) |
複数の仕上材にまたがったひび割れ(レベル3に該当するものを除く。) |
①複数の仕上材にまたがった幅 0.3mm 以上のひび割れ(レベル3に該当するものを除く。) ②仕上材と構造材にまたがった幅 0.3mm 以上 0.5mm 未満のひび割れ(レベル3に該当するものを除く。 |
一定程度存する。 |
3 |
①複数の仕上材(直下の部材が乾式であるものに限る。)にまたがったひび割れ ②仕上材と乾式の下地材又は構造材にまたが ったひび割れ |
①複数の仕上材(直下の部材が乾式であるものに限る。)にまたがったひび割れ ②仕上材と乾式の下地材又は構造材にまたがったひび割れ |
①複数の仕上材(直下の部材が乾式であるも のに限る。)にまたがったひび割れ ②仕上材と乾式の下地材にまたがったひび割れ |
高い |
ロ 湿式の仕上材による仕上げ
い |
ろ |
は |
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レ ベ ル |
住宅の種類 |
構造耐力上主要な 部分に瑕疵が存する可能性 |
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木造住宅 |
鉄骨造住宅 |
鉄筋コンクリート造住宅又は鉄骨鉄筋コンクリート造住宅 |
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1 |
レベル2及び レベル3に該当しないひび割れ |
レベル2及び レベル3に該当しないひび割れ |
レベル2及び レベル3に該当しないひび割れ |
低い |
2 |
乾式の下地材又は構造材の表面まで貫通した ひび割れ(レベル3に該当するものを除く。) |
乾式の下地材又は構造材の表面まで貫通した ひび割れ(レベル3に該当するものを除く。) |
仕上材と構造材にまたがった幅 0.3mm 以上 0.5mm 未満のひび割れ(レベル3に該当する ものを除く。) |
一定程度存する。 |
3 |
仕上材と乾式の下地材又は構造材にまたがったひび割れ |
①仕上材と乾式の下地材又は構造材にまたがったひび割れ ②さび汁を伴うひび割れ(構造耐力上主要な 部分でない壁、柱又ははりに発生したものを 除く。) |
①仕上材と乾式の下地材にまたがったひび割 れ ②仕上材と構造材にまたがった幅 0.5mm 以上のひび割れ ③さび汁を伴うひび割れ(構造耐力上主要な 部分でない壁、柱又ははりに発生したものを 除く。) |
高い |
ハ 構造材による仕上げ
い |
ろ |
は |
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レ ベ ル |
住宅の種類 |
構造耐力上主要な 部分に瑕疵が存する可能性 |
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木造住宅 |
鉄骨造住宅 |
鉄筋コンクリート造住宅又は鉄骨鉄筋コンクリート造住宅 |
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1 |
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レベル2及び レベル3に該当しないひび割れ |
低い |
2 |
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幅 0.3mm 以上 0.5mm未満のひび割れ(レベ ル3に該当するものを除く。) |
一定程度存する。 |
3 |
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①幅 0.5mm 以上のひび割れ ②さび汁を伴うひび割れ |
高い |