期間契約社員に厳しい時代は続いている
長引く経済不況,さらに,円高が追い打ちとなって,企業の雇い止めが増えています。この傾向は特に,製造業に強く,雇い止めに関する相談も年々増えています。
雇い止めの有効性
期間を定めた労働契約の期間満了に際し,使用者が契約の更新を拒絶することを「雇い止め」といいます。労働期間につき,労使が合意して締結された労働契約は,期間の満了とともに終了するのが原則です。
しかし,更新を繰り返し,①「実質において期間の定めのない契約と異ならない」場合や②有期契約の「更新に対する合理的な期待がある」場合には,解雇に関する法理が類推適用されるので,人員削減を理由とするものであれば整理解雇の4要件を満たすかどうかを判断することになります。
①,②のいずれかに該当するかどうかの判断は,以下のような事情が考慮されます。
(1) |
仕事の内容が臨時的・補助的か,基幹的か |
(2) |
更新の回数 |
(3) |
雇用の通算期間 |
(4) |
契約期間管理の状況(更新手続きの有無,契約書の有無等) |
(5) |
雇用継続の期待をもたせる言動や制度の有無 |
(6) |
労働者の継続雇用に対する期待の相当性(他の有期雇用者が長年更新を繰り返してきた等) |
雇い止めが無効となったとき
雇い止めが無効であると判断された場合には,従前と同様の労働契約が更新されたものとして扱われます。
「雇止め法理」の法定化
最高裁判例で確立した「雇止め法理」が、平成24年8月10日に公布された改正労働契約法に、そのままの内容で規定されました。詳しくはこちらへ。