交通事故全体に占める
自転車関与事故の割合が年々増加
交通事故全体に占める自転車関与事故の割合は年々高まる傾向にあります。全国の自転車関与率が20%前後で推移しているのに対し、平成23年中の都内の自転車関与率は37.3%と高い割合を占めています。
自転車事故の刑事責任
自転車事故を起こすと、民事上の賠償問題とは別に、刑事上の責任も問われます。現在の実務においては、自転車の運転手が主体の場合、重過失致傷罪が多くの場合に適用されています。もっとも、事故の態様によっては、単純過失が認められ、過失傷害罪、過失致死罪が適用されます。
もっとも、起訴されるかどうかは、事故の内容、事故後の対応や、被害者の怪我の程度などにより、検察が判断します。自転車事故の場合、自動車事故の場合と比較して、刑事訴追しなければならないような重大な事故につながりにくいこと、発生件数も少ないことから、自転車の運転手の刑事責任が問題となることは少ないので一概にはいえませんが、怪我の程度が軽い場合、過失が軽度な場合などは、不起訴になることが多いといえるでしょう。
刑事責任と民事上の賠償責任(示談)の関係
自転車事故の加害者を起訴するかしないかの判断においては、事故の内容、事故後の対応や、被害者の怪我の程度などが考慮されますが、これらと同じくくらい重要なものが、民事上の賠償責任を果たすことができるか、示談ができるかという点です。民事上の賠償で示談が成立していれば、不起訴になる可能性が高くなります。
ですから、自転車事故における刑事弁護活動の中心は、被害者との示談にあるといえます。